彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「もしもし?」

〈うははは!わしや、わし!まだ、塾やろう?相づち打つだけでええから聞いてくれへん!?〉

「なんですか?LINEじゃダメですか?」

〈うははは~今、つーちゃんと一緒なんや!電話かメールか迷ったんやけど、忙しいかー?あかんなら、かけなおすからええで?〉

「いや、聞きますよ。なんです?」

〈うはは!おーきに!それがのぅ~ながちゃんがパクられたさかい、どないしようかと思ってのぉー!うはははは!〉

「はいはい、そうですか。ちーちゃんが・・・え?」



(パクられた?)


「ええっ!?」



ちーちゃんがパクられたって・・・



(逮捕されたってこと!?)



「そっち!?」



(坂口さんじゃなくて、ちーちゃんが捕まったの!?)



〔★思っていた人と違った★〕



〈うははは!凛の予想通り、逮捕者が出たっちゅーことや!〉

「違うから!それ、僕の予想と全然違うから!」

〈うははは!興奮するのは良くないで?ちょっと落ち着こうや!かけなおすから!ほなな~〉

「だっ・・・だめだめ!切っちゃダメ!大事なことじゃないですか!?話を続けて!今どこです!?」

〈うははは!ええんか!?いや~悪いのぉ~!ながちゃんが連れてかれた警察署は~〉

「そっちじゃない!君の居場所を言えと言ってるんですよ、ヤマト!」

〈あ、わし!?わしな~瑞希はんの家の近くのコンビニや~!あっという間やったわ~!瑞希はんに知らせた方がええかのぉ!?ながちゃん、一人暮らしやし、大原いうおじいちゃんにはバレたくないみたいやねん!困ったもんやで~うはははは!〉



(それは、こっちのセリフよ・・・・!!)



ホント、困ったことになっちゃって、もうぉ~~~~!!



「わかりました・・・!すぐに行くから!瑞希お兄ちゃんと行くから!」

〈うははは!おーきに!ほな、わしん家で変身したらええやん!?迎えに行くから、わしの家で落ち合おうや!待っててな!〉

「わかりました。」



話がまとまったところで、携帯の電源を切る。

急いで女子トイレから飛び出す。

せっかく、瑞希お兄ちゃんとご飯が食べれると思ったのにぃ~!!



(好きな人とゆっくり食事さえできないの!?)



烈司さんからのお祓いも検討しながら塾を後にした。