彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




(てか、『菅原凛』設定だと、あの薬物を、サプリメントだとしか思っていない。)



だったら、ここで誤解を解くために話しても、『何も知らずに話した』ことになるから無罪だよね?

いなくなった同級生を心配して、いなくなる直後のやり取りを話すことは不自然じゃないはず。



「菅原さん、何を隠してるの!?やましいことがあるんじゃないの!?ないなら言いなさいよ!レイに、何をしたの!?」



あと、いい加減、一方的に悪く言われるのにムカつ・・・つらくなってきた。

今後の塾生活を思えば、私の無実を証明した方が良いだろう。

なので、『覚悟』を問うことにした。



「本当に、坂口さんにはなにもしてません。もめた原因についても、彼女から口止めをされているので――――」

「だから!そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?私が責任持つから言ってよ!!言いなさい!」

「・・・・わかりました。」



そこまで言うのなら仕方ない。

話そうじゃありませんか。

みんなも見てるし、加害者にされるのはご免なので言った。



「私は、坂口さんからのサプリメントを断っただけです。」

「サプリメント!?」



それで猪口さんの顔から怒気が消える。

不意をつかれたように、キョトンとした表情をしている。

一緒にいた女子達も同じだった。



(この反応・・・薬のことは知らないのかしら?)



仲良しなら、1人ぐらい、サプリメントのことを知っていてもよさそうだけど・・・

私の話を聞いて、挙動不審な子もいないしね。




注意深く観察しつつ、言葉を選びながら説明した。