彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




「今朝、レイと何を話してたの!?」

「え!?えーと・・・」



他の女子を引きつれて聞いてくる猪口さん。



(それをこれから、調べようとしてるんですけど!?)



そう言いたいけど、言うこともできず、困った顔を作るしかない。



(困ったな・・・こんなところで、時間を食ってる場合じゃないのに。)



内心イライラする私に、相手はイライラを顔に出しながら言った。



「レイともめたんでしょう?理由は教えてくれなかったけど、一限目の授業が始まる前から、菅原さんのこと怒ってたのよ?」



怒りたいのは私だよ。



「レイになにをして、怒らせたの!?菅原さんがなにかしたんでしょう!?」



してないよ!人のせいにしないでくれる!?



〔★心のツッコミが止まらない★〕



言いたいのを我慢しながら、冷静に対応する。



「誤解です。私、何もしてません。」

「じゃあ、なんでレイは怒ってたの!?」

「私も、何故坂口さんが怒ったのか、意味がわからないんです。」

「どういうこと!?説明してくれる?」



(言ってもいいのかな?)



内容が内容だけに、下手なことは言えない。

ここで話したら、言いふらす形にならないだろうか?

そうなったら、後々坂口さんがまずいことになるかもしれない。



「私達にもわかるように、説明してくれるよね!?」

「そうしたいのはやまやまですが、その・・・坂口さんから、口止めされていて・・・」



そんな気づかいから、断ったけど・・・



「レイは荷物を置いたまま、いなくなってるのよ!?口止めとか言ってる場合!?それとも、そう言ってごまかす気なの!?最低ねっ!!」



(気を遣って言わないでいるのに、私が怒られるってヒドイくない?)



完全に悪者扱いされてるし。



〔★むくわれない親切だ★〕