「今朝、レイと何を話してたの!?」
「え!?えーと・・・」
他の女子を引きつれて聞いてくる猪口さん。
(それをこれから、調べようとしてるんですけど!?)
そう言いたいけど、言うこともできず、困った顔を作るしかない。
(困ったな・・・こんなところで、時間を食ってる場合じゃないのに。)
内心イライラする私に、相手はイライラを顔に出しながら言った。
「レイともめたんでしょう?理由は教えてくれなかったけど、一限目の授業が始まる前から、菅原さんのこと怒ってたのよ?」
怒りたいのは私だよ。
「レイになにをして、怒らせたの!?菅原さんがなにかしたんでしょう!?」
してないよ!人のせいにしないでくれる!?
〔★心のツッコミが止まらない★〕
言いたいのを我慢しながら、冷静に対応する。
「誤解です。私、何もしてません。」
「じゃあ、なんでレイは怒ってたの!?」
「私も、何故坂口さんが怒ったのか、意味がわからないんです。」
「どういうこと!?説明してくれる?」
(言ってもいいのかな?)
内容が内容だけに、下手なことは言えない。
ここで話したら、言いふらす形にならないだろうか?
そうなったら、後々坂口さんがまずいことになるかもしれない。
「私達にもわかるように、説明してくれるよね!?」
「そうしたいのはやまやまですが、その・・・坂口さんから、口止めされていて・・・」
そんな気づかいから、断ったけど・・・
「レイは荷物を置いたまま、いなくなってるのよ!?口止めとか言ってる場合!?それとも、そう言ってごまかす気なの!?最低ねっ!!」
(気を遣って言わないでいるのに、私が怒られるってヒドイくない?)
完全に悪者扱いされてるし。
〔★むくわれない親切だ★〕


