彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)




〈凛、お前はMESSIAHのドラッグの件にも手を出すな。〉

「え!?」



悩んでいた私に瑞希お兄ちゃんが言った。



〈何度も言うが、MESSIAHが絡んでるなら俺達が後始末をする。俺としても・・・JAGUARの頭だった幡随院のメンツをつぶすつもりはない。けど今回は、龍星軍の可愛い後輩に代わって、俺ら連中を叩きのめすってことで勘弁してくれって言うつもりだ。凛の方からも、俺がそう言ってるから我慢してくれって、幡随院に伝えてくれないか?〉

「え?それはかまいませんが・・・もしちーちゃんが納得しなかったら・・・?」

〈凛が言えば納得する。つーか、あいつは凛の言うことしか聞く気がない。〉

「え!?でも、『初代の言うことは絶対』という掟には、従ってましたよ?」

〈凛がそのルールを守ってるからだ。もっと好かれてるって自覚、持っていいんだぞ?〉

「・・・わかりました。」



瑞希お兄ちゃんの考えはわかった。

ちーちゃんとの友情はともかく、MESSIAHに関われる確率は低そうね。



〔★凛の長政への関心も低い★〕



〈わかったんならいい。じゃあ、またな。おやすみ凛。〉

「おやすみなさい、瑞希お兄ちゃん。」



そのやり取りを最後に、電話はきれる。

ちーちゃんが知らん顔しろといった理由がわかった。



(確実に解決できる可能性がなかったからか・・・)



とはいえ・・・やっぱり見過ごせない。



(お節介かもしれないけど・・・)



「・・・警察に通報しようか。」



(こういうところが、チクリ魔って言うのかしら?)



だけど坂口さん、根は悪い人じゃない。

正確に問題はあるけど良い子だ。

出来ることなら助けたい。

でも、菅原凛として通報する勇気はないから――――・・・・



(ヤマトに頼んで、代わりに通報してもらおう。)



関西弁と大声を封印してもらって、塾に通ってる男子の振りをしてもらえばいいわ。

相手の出方次第では、ヤマトに通報してもらおう。

そう決めて、今度はヤマトへと電話をかけた。



〔★巻き込み事故を発生させた★〕