〈凛、お前はMESSIAHのドラッグの件にも手を出すな。〉
「え!?」
悩んでいた私に瑞希お兄ちゃんが言った。
〈何度も言うが、MESSIAHが絡んでるなら俺達が後始末をする。俺としても・・・JAGUARの頭だった幡随院のメンツをつぶすつもりはない。けど今回は、龍星軍の可愛い後輩に代わって、俺ら連中を叩きのめすってことで勘弁してくれって言うつもりだ。凛の方からも、俺がそう言ってるから我慢してくれって、幡随院に伝えてくれないか?〉
「え?それはかまいませんが・・・もしちーちゃんが納得しなかったら・・・?」
〈凛が言えば納得する。つーか、あいつは凛の言うことしか聞く気がない。〉
「え!?でも、『初代の言うことは絶対』という掟には、従ってましたよ?」
〈凛がそのルールを守ってるからだ。もっと好かれてるって自覚、持っていいんだぞ?〉
「・・・わかりました。」
瑞希お兄ちゃんの考えはわかった。
ちーちゃんとの友情はともかく、MESSIAHに関われる確率は低そうね。
〔★凛の長政への関心も低い★〕
〈わかったんならいい。じゃあ、またな。おやすみ凛。〉
「おやすみなさい、瑞希お兄ちゃん。」
そのやり取りを最後に、電話はきれる。
ちーちゃんが知らん顔しろといった理由がわかった。
(確実に解決できる可能性がなかったからか・・・)
とはいえ・・・やっぱり見過ごせない。
(お節介かもしれないけど・・・)
「・・・警察に通報しようか。」
(こういうところが、チクリ魔って言うのかしら?)
だけど坂口さん、根は悪い人じゃない。
正確に問題はあるけど良い子だ。
出来ることなら助けたい。
でも、菅原凛として通報する勇気はないから――――・・・・
(ヤマトに頼んで、代わりに通報してもらおう。)
関西弁と大声を封印してもらって、塾に通ってる男子の振りをしてもらえばいいわ。
相手の出方次第では、ヤマトに通報してもらおう。
そう決めて、今度はヤマトへと電話をかけた。
〔★巻き込み事故を発生させた★〕


