私の一撃に、情けない声で大げさに騒ぐ相手。
「い、痛ぁい~!!鼻が!鼻が折れたぁ~!」
「折れてない。離してください、は?」
「絶対つぶれた!痛いよ、痛いよぉ~!」
「つぶれてない。凹んでるかもしれないけどな。だから、離してほしかったら・・・」
「痛ぁーい!!血が止まらない!折れたー!つぶれたー!」
「・・・マジで、潰すか折るかするぞ?」
「ひっ!?」
2トーンぐらい低い声で言ったら静かになる。
「で?なんて言うんだっけ?」
「は、離してくださぁーい・・・!」
再度問いかければ、やっと合言葉を言ったので解放してやった。
途端に、足元にへたり込む少年B。
「な、なんなんだよぉ~お前っ!?なんなんだよぉ~!?」
「ご覧の通りです。」
「はあ!?わかんないから聞いて・・・る・・・?」
急に、荒かった語尾が弱くなる。
どうしたのかと思えば、少年Bの目が私の腕で釘付けになっていた。
「その腕章・・・・!?」
「あん?」
相手が見ていたのは、モニカちゃんの手作りアイテム。
その腕章の文字を、震える声で少年Bが読み上げる。
「りゅ、りゅ、龍星軍・・・・・!?」
「それがどうした?」
「えっ!?もっ!もしかして・・・お前、いや、あなた様は・・・」
目を大きく見開きながら少年Bは言った。
「あの凛道蓮、さん、ですか・・・!?」
「そうですよ。」
「ひぃい―――――!!」
私の返事に、悲鳴で答える少年B。
這いつくばりながら、痛い!とうなっている他の3人の元へ向かうと、私を指さしながら叫んだ。


