瑞希お兄ちゃんの回想をしていたら、マナーモードの携帯が反応した。
ヴヴヴヴヴヴヴ!
「誰?」
表示された画面を見る。
「またちーちゃん・・・」
(言忘れたことでもあったのかな?)
画面をタッチして、携帯を耳にあてた。
「どうしたの、ちーちゃん?」
〈さっきの話、わかったよぉ~〉
「もうわかったの!?」
(早すぎない!?)
〔★長政の仕事は早かった★〕
〈ウェイウェイウェイ!つーことで、今から会おうよ、リンリン♪〉
「え!?宿題は?」
〈持って行くから~宿題しつつ、ボーイズトークしよう!〉
「かまいませんが・・・」
〈ウェイウェイウェイ!じゃあ、迎えに行くね!今どこ!?真田せんぱぁぃの家の近く系??〉
「あーまぁ、そうですね・・・。」
〈近所に公園あるじゃん?そこは?〉
「じゃあ、そこで待ってます。」
〈ウェイウェイウェイ!楽しみでテンションアゲアゲでしょ!後でねぇ~♪〉
チャラい声の電話が終わる。
「・・・もうわかったんだ・・・」
夜店での印象が強いけど・・・さすが、元半グレナンバーワンだわ。
〔★凛は長政を見直した★〕
瑞希お兄ちゃんに動かないと約束したけど、話をするだけだから違反にはならないはず。
ちーちゃんが巻き込まれるのは可愛そうだから、教えてあげるのは悪くないよね?
特に深く考えることもなく、公園の方へと進む。
瑞希お兄ちゃんの家に行く時、いつも通っている道沿いにその公園があった。
夜の公園ということで、とても静かで、誰もいな・・・
「ムカつくんだよ!」
いないこともなかった。
(先客?)
それにしては騒がしいような・・・??
「あ。」
見れば、4人の若者が、地面にまるまる1人の人間を踏みつけていた。
「なにをしてる!?」
怒鳴りながら近づく。
それで若者達は動きを止めた。
そして、私を見るなりそのうちの1人が舌打ちする。
「なんだよ、ガキじゃん!?」
「君達もでしょう!?」
明らかに中学生ぐらいの男子。
ヤンキーという感じでもない。
むしろ、どこにでもいる普通の感じの子達だ。
しかし、問題は彼らの見た目じゃない。
「君達が踏んでいるのは、人でしょう!?なにをしているんですか!?」
「うるせぇ!制裁の邪魔するなよ。」
「制裁?」
聞き返せば、鼻で笑いながら少年達は言った。


