彼は高嶺のヤンキー様5(元ヤン)





「凛、この件で動くな。」

「なぜです!?これだけわかっているんですよ!?」

「MESSIAHが薬を、どこから仕入れてるかわかるか?」

「え?えーと・・・」

「MESSIAHの薬の調達ルート、調べられないだろう?」

「お兄ちゃんはわかるんですか?」

「わかるね。」

「じゃあお手伝いします!だから僕にもー!」

「オメーは仲間の宿題を見てろ。証拠もつかんでないのに動くんじゃない。」

「でも、なにかお手伝いぐらいできます!家出っ子のふりして、オトリになるとか!」

「ばか!ただでさえ危なっかしいお前にそんな真似させられるか!?つまみ上げられてあっという間に連れていかれちまう!」

「わ!?」



そう言うなり、私を抱き上げて自分の膝に乗せる瑞希お兄ちゃん。



「ましてやオトリになるなんざ・・・・・女のかっこうしたいのかよ?」

「お、女のかっこうって!?」

「若い少女が人気なんだよ!つまり、求められてるのはロリコンであって、ショタコンじゃない!」

「なんですか?ロリコンと、ショタコンって・・・?」

「知らねぇのかよ!?くっ!ロリコンは少女が好きな奴で、ショタコンは少年が好きな奴のことだよ!」

「僕、ショタコンのオトリしますよ?」

「だから!必要とされてるのはロリコンなんだ!すぐ声かけてくるから、同じオトリな女の方が良いんだよ!それとも凛は・・・女装する気があるって言うのかよ!?」

「えっ!?そ、それは・・・!?」



できない!



(なぜなら、瑞希お兄ちゃんには、菅原凛の姿で1度会っているから!)



もし、あの時の私を覚えていて、私の女装を見たりしたら!



(凛道蓮の女装=菅原凛って、バレちゃう可能性もあるよ!)



〔★カミングアウトになる★〕