うっとりする思いで彼にくっついていれば、瑞希お兄ちゃんは私の頭をなでながら言った。
「ドラッグも売春も悪いが・・・それを合体させる真似をしてるMESSIAHが問題なんだよな。」
「えへへへ!そうで・・・ー♪合体?」
「おう。」
私の肩に、自分の首を乗せながら言った。
「家出少女が逃げないように、薬漬けにして働かせてるみてぇーなんだよ。」
「ええ!?そういう合体!?」
悪質極まりないよ!
薬なんて、廃人になっちゃうって学校でも習ったし・・・!
売春だって・・・!
「つーことで、その飛び火で、龍星軍一番のバラさんが忙しいんだろう。集会するなら今だろうな。」
「・・・。」
そう言われても。
(・・・とてもそんな気にはなれない・・・)
チャンスだと喜ぶわけにもいかないが・・・
「納得は出来ました。」
「ほぉ・・・どんな風に?」
「ちーちゃんがいなくなって混乱してるから、ちーちゃんに混乱を鎮めるようにしてほしいと、警察の人達は言ってるということですね?」
現状は理解できた。
「だろうな。バラさん以外は、JAGUARとして幡随院が動けばいいと思ってるはずだ。」
「ひどい!大人のくせに、ちーちゃんに危ないことをさせようなんて・・・!」
「幡随院なら簡単に収めるだろう。凛の前では猫かぶってるけど、半グレの時の幡随院は怖いらしいからな。どうする、凛?」
「え?」
瑞希お兄ちゃんが私に問いかける。
「幡随院にJAGUARとして動けって命令するか?」
「しません!」
「即答かよ?」
「当然です!」
友達同士で命令とかおかしいよ!なによりも―――
「ちーちゃんがJAGUARに戻らなくても、MESSIAHにお仕置きは出来ます!」
「あ?」
「この町をしきっているのは、龍星軍です!僕が討伐します!」
「凛・・・。」
「僕が、MESSIAHを警察に突き出します!」
「だめだ。」
私の宣言を瑞希お兄ちゃんが否定した。


