もしもあの時


受け付けを済ませ、よく分からない心情のままタッキーの写真を見つけた。


“遺影”



何も変わらないのにな。



あの頃のまま笑っている写真なのに…



「ヤマが先頭で」



モオリが俺の背中を押すように足を進めた。



一歩一歩タッキーへと近づく。



祭壇の傍らにはタッキーの両親とお嫁さんが立っていた。



祭壇を見上げ、手を合わせたその瞬間、何かが溢れるようにこみ上げてくる。



「ダ、メだ…」



声にならない声の代わりに、涙と嗚咽が溢れ出てくる。



タッキー。



そして、あの頃の日々が鮮明に蘇る。



俺にとって特別な時間だったんだ。



大人でも子供でもない狭間に過ごした時間には、いつだってタッキーがいた。



そして、あいつらがいた。



忘れていた訳じゃない。



ただ、あの頃は今の現実とかけ離れ過ぎていて、思い返す時間さえなかったんだ。