優しいあなたの嘘の法則




言葉に表せないほど嬉しくて、胸がいっぱいで泣きそうになっていると、想くんにまた笑われた。その笑みは、相変わらず意地悪だけどどこか優しかった。

「これからは思ってることも素直に言うし、行動にも移すから」
「?どういうこと?」
「つまり、実希ちゃんとキスしたいってことだけど」
「きっ!」

想くんの爆弾発言を聞いて、咄嗟に顔が熱くなる。

「なっっ…!」
「やなの?」
「…やじゃ、ない」
「じゃあ、目、閉じて」

言われるがままに目を閉じると、想くんが椅子を立つ気配がした。と思った次の瞬間、唇に柔らかいものがあたり、ちゅ、という音が響いた。目を開けると、目の前に想くんの整った顔があった。

「わはは、余計に真っ赤になった」
「う、うるさいっ」
「かわいい」
「っ」

今はじめて分かったことがある。素直な想くんは、思っている以上に破壊力があるみたいだ。想くんの言葉や行動にいちいちドキドキして心臓が持つ自信がない。これから先が不安で仕方ない。

けれど同時に、どこか嬉しいと思っている自分もいる。いつも人のためを思って嘘をつく想くんが、素直な気持ちを聞かせてくれている。そうやって想くんの負担を軽くできてる気がしたから。

嘘だらけの想くんには、まだまだ私の知らない一面があるのだろう。そういう一面をこれからもたくさん見せてほしいと思う。素直な気持ちを聞かせてほしいと思う。そうやって、想くんを支えていきたい。想くんの一番近くで。

そんなことを考えながら、目の前の想くんを見つめた。