優しいあなたの嘘の法則




次の日、週の真ん中の平日のお昼すぎ。重い扉を押して入ったカフェの店内には数組のお客さんしかいなかった。相変わらずその空間には、優しいピアノの音色が響いていた。

落ち着いた雰囲気の店内を見回すと、奥の席に座る男の人と目があった。

「想くん、」

私が想くんのもとに行くと、想くんは相変わらず冷たい目で私を見ていた。

「なんで?話しかけないでって言ったよね」
「ご、ごめん、でも」
「俺もう行くわ」
「待って、逃げないで!」

席を立とうとした想くんを声を大きな声で引き止めると、想くんの足が止まった。店内にいた数人がこちらをチラチラと見つめているけど、そんなこと気にならないくらい想くんのことで頭がいっぱいだった。