優しいあなたの嘘の法則




「びっ、くりした…一之瀬さん?」
「ご、ごめん!久しぶりに見たから、つい引き止めちゃった」
「いやいや…お久しぶりです」
「大学忙しかったの?」
「いやあ…はは………………あの、今日って想くんいます?」
「二宮?いないけど…なんかあったの?」
「ええいや特に何もないんですけど!」

心の中でほっと息をつくとともに、想くんに会えないことにどこか寂しいと感じる自分がいた。
というか、一之瀬さんの手が掴まれたままなのですが……

「じゃ、じゃあ私帰るんで……一之瀬さん、あの、手、」
「このあと、少し時間ないかな」
「へ」
「大切な話があるんだ」

そう言って、私の手を掴む一之瀬さんの右手は、燃えるように熱かった。