「想くん、」
「うん?」
「最低なんて言ってごめんなさい。それと、ずっと、守ってくれて、ありがどうっ」

私はとうとう溢れる想いを我慢できず、顔をくしゃくしゃにして号泣した。想くんは、そんな私を爆笑したあと(失礼極まりない)、私が泣き止むまで抱きしめてくれた。細いと思っていた想くんの身体は実際にはがっしりしていて、私の身体はすっぽりとおさまった。想くんの腕の中はあたたかくて優しかった。


「実希ちゃん、お願いだから、話すのが最後なんて言わないで」
「うんっ」

私もこれで最後なんて嫌だ。もっと想くんと話したい。優しい想くんのことを、もっと知りたいよ。

「わたしも、想くんともっと話したい」
「実希ちゃん。仲直りしてください」

想くんの言葉にわたしはこくこくと何度も頷いた。想くんはそんな私を優しく笑って、抱きしめる力を強めたのだった。