家に帰り、ワンピースを広げる。

…こ、これ着て、デート…。
初デート。

妄想が広がる。
かわいいな、今日の亜子。
そう言って夏目さんは、私の頬に手を当てて、顔が近づき…

「きゃぁぁぁぁ」

な、なにを考えてるんだ私は!
べべべべべべつに楽しみなわけじゃないし、そういう展開を期待してるわけでもないし、第一、そんなことまだ私には早すぎるし!

ピロン

タイミングが悪く、夏目さんからのメッセージ。
私の心が読まれてるのかと思うようなタイミングだ。

『服買ったの?すげぇ楽しみ。まあ、なに着てても可愛いだろうけどな』

…ほんとになんなのこの人。
ちょっと、どきどきしちゃったじゃん。
ましてさっきの私の妄想と少し重なる…!

やめてくれほんとに。
にやける。
恋愛経験ないんだから!


『変なこと言わないでください』

いつも通りに送ったが、内心はいつも通りではなく鼓動がとても早かった。