話を変えようと口を開くとベストのポケットに入れていたスマホが震えた。
スマホを見るとさっき別れたばかりの深侑からのメッセージだった。
そこには絵文字も何もなく『弁当もらうの忘れた』とだけ送られてきていた。
そういえばお母さんから深侑のお弁当を受け取って、深侑に渡すの忘れてた。
「弁当もらうの忘れたっていつも一緒に食べてるじゃん」
「二年生は今日の午後特別授業だかで5分短縮授業なんだって」
「あー、それで」
今から届けにいくと返事を送ろうとしたら深侑から『お昼、食堂で待ってる』とメッセージが送られてきた。
待ってるってお昼の時間ずれるから休む時間少なくなっちゃうよ?
そう送ろうとしたらまた深侑からメッセージがきた。
『夏生と一緒に食べたいから』
不覚にも鼓動が一瞬高鳴った。
そんなこと言われたら分かったって返事しか送れないよ。
私は授業終わったらすぐ行くねと返事を送った。



