深侑とは学年が違うから下駄箱で別れ、自分のクラスに向かう。
教室に入るとクラスメイトに挨拶をしながら自分の席の前に座り、スマホをいじる彼女の顔を覗き込む。
「…柊花(しゅうか)、おはよ」
「おはよ」
柊花はスマホを机に置くとニヤニヤ笑いながら頬杖をついた。
「な、何……?」
「ん?いや、相変わらず朝から仲いいなと思ってさ」
「何のこと……っ!」
柊花が窓の外をチラッと見て分かった。
窓から見えるのは学校の校門と正面玄関へ続く道。
きっと私と深侑が一緒に登校してくるのを見てたんだ。
「べ、別に学校が同じだから一緒に来てるだけで仲がいいとかそういうわけじゃ……」
「でも仲良くなきゃ一緒に登校してこないでしょ?」
「う、そ、それは……」
こういう時によく頭のキレる柊花は敵に回したくない一人。
図星で何も言えない私を柊花はずっとニヤニヤ笑って見てきた。



