「…はい、記念写真は以上になりまーす」
卒業式が終わって記念写真の撮影も終わった。
昨日のことを思い出してたら終わっちゃった。
ちゃんと笑えてたかな?
校門前に植えられている桜の木はまだ満開ではないけど、少しずつ花を咲かせている。
あっという間の一年だった気がする。
下級生と写真を撮る3年生を見ると、目は自然と深侑を探している。
「…だめだよ。もう会えなくなるんだから」
今会ってしまったら思いが溢れそうになってしまうから。
だから私はもう深侑には会わずにここを去ると決めた。
葵ちゃんにも卒業式が終わるまでは深侑に言わないようにと伝えた。



