全員揃って朝食を食べて、深侑は準備をしにまた家に戻った。
私も歯を磨いたり準備をする。
リビングに顔を出すとお父さんがコーヒーを片手に新聞を読んでいて、お母さんが洗い物をしていた。
「じゃあ、いってきます」
「あらもうそんな時間?気を付けてね」
「いってらっしゃい」
二人に声をかけるとお母さんが玄関まで見送りに来た。
「今日はお父さんと私も出張で遅くなるから、深侑くんと夕飯先に食べてて」
「…うん、分かった」
靴を履きながらお母さんの話を聞いて立ち上がる。
そしてお母さんから私の分と深侑の分のお弁当を受けとる。
背後にいるお母さんの方を向くと、お母さんの後ろにある和室を見る。
「…じゃあ、いってきます」
私は日が当たって明るくなりつつある和室に微笑むと家を出た。



