「……夏生、靴ちゃんと履き替えないと」
「…柊花」
3年前のことを思い出していたらいつの間にか隣に私の上履きを持った柊花がいた。
上履きを受け取って履き替える。
胸がいっぱいいっぱいで柊花達を無視してしまったのに、柊花は私を追いかけてきてくれた。
いい親友と出会えてよかった。
ほんとはこんな私がこんないい親友をもってはいけないのに。
「……深侑からのプレゼントを貰わなかった。
それどころか弾き飛ばしちゃったよ。
せっかく私のためにって深侑が選んでくれたのに」
「深侑くんもきっと夏生の気持ち分かってるよ。
今日が夏生の誕生日ってだけじゃないんだから」
「…うん、そうだといいな。
深侑に謝らないといけないのに、深侑を見たらまた思い出しちゃうからだめだ」
「大丈夫。夏生のせいじゃないよ」
「……柊花、ありがとう」
柊花は優しく私を抱き締めてくれた。
柊花にしばらく身を寄せて心を落ち着かせた。



