なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー





でもリビングにいたのは血相を変えたお父さんとお母さんだった。




「…っ!夏生!茜が…、茜がね………っ」


「……え?なに言ってんの……?」




お母さんが言ったことが理解できなくて、頭が真っ白のまま連れていかれた病院。




そこには白い布で覆われて眠る人がいる。




何が起こってるか未だに理解できずに、震える手でその布をゆっくりと開ける。




なんで?
なんでお姉ちゃんが冷たくなって眠ってるの?




「茜……っ!いやよ、目を開けて…っ!」




お母さんがお父さんに支えられながら泣き崩れる。




どうしてこんなことになってるの?
お姉ちゃん、なんで笑ってくれないの?




だって今日は私の………




「…あなたが妹の夏生さん、ですか?」


「…はい、そうです」




女性の警察官の人が私の隣にやって来た。




頭の中はパニック状態なのに、出た言葉は冷静なものだった。