ゆっくりと起きた深侑の髪の毛が寝癖で酷いことになってる。
「深侑、寝相悪すぎ」
「……んー……」
直して。
というかのように目を閉じて私の方に頭をつきだす。
仕方なく手櫛で深侑の髪を軽く整える。
深侑の髪は猫っ毛で柔らかいせいか、手櫛で簡単に整えられる。
深侑の髪を整え終わると顔を洗って私の家に来るように言って、私は先に家に戻る。
深侑は隣の家に住む幼なじみ。
小学生の時に私の家の隣に引っ越してきて、気付いたらいつも一緒にいるようになっていた。
引っ越してきて何年かしたある日、深侑のご両親が不慮の事故で亡くなり、深侑は一人になった。
一人じゃ何もできない深侑をこうして私達家族が面倒をみている。
もう高校2年生なんだから、少しくらい身の回りのことは自分でやってほしいのだけど……
つい甘えられてやってしまう私も私で甘いところがあるんだけど。



