玄関にある鍵をもって家を出て、すぐ隣の家の鍵を開ける。
物音一つしないから、まだ寝てると分かる。
2階に上がり部屋のドアをゆっくりと開ける。
ベッドの膨らんだ布団が規則的に上下している。
「……深侑(みう)。朝だよ?起きて」
「………ん、あれ…なつみ……?」
体を揺らすとゆっくりと動きだし、布団から顔を出した。
トロンとした目はまだ眠そう。
まだ寝かせてあげたいけど、でも早く起きないと学校に遅れちゃうし。
というか……
「ちゃんとアラーム仕掛けた?」
「……かけたよ、ほら」
布団に埋もれていたスマホを見せてくれた。
そのアラームは時間がいくらか経過したため自動でオフになっていた。
……またか。
「いつも二度寝するから起きる15分前と、起きる時間にアラーム設定してって言ってるでしょ?」
「……ん、忘れてた。
二度寝しても夏生が起こしに来てくれるから」
「…はぁ……」
寝ぼけてる間抜けな笑みにため息が出る。



