なれたなら。ーさよなら、私の大好きな人ー





茜お姉ちゃん。
私の唯一のお姉ちゃんで、私の尊敬する人。




いつも明るくて前向きで優しいお姉ちゃん。




何でも相談に乗ってくれて元気付けてくれた。




そんなお姉ちゃんが大好きなんかじゃ足りないくらい大好きだった。




でも私が15歳の時に、22歳という若さでこの世を去ってしまった。




信号無視をしたトラックとぶつかったことによる交通事故だった。




いきなりのことで涙なんか出なかった。
悲しかったのに、悔しかったのに泣けなかった。




信じられなかったから。




未だにお姉ちゃんの死に対して泣いたことはない。




お姉ちゃんの写真を眺める深侑をそっと見上げた。
私が泣いたら悲しむであろう人が隣にいるから。