いつものように深侑の隣に座り、柊花は葵ちゃんの隣に座った。
「はい、これ深侑のお弁当。
朝渡せなくてごめんね?」
「ん、大丈夫。ありがとう」
カバンから深侑のお弁当を出して渡すと、深侑はすぐに食べ始めた。
「いいなー、センパイのお母様お手製のお弁当。
いつも美味しそうで、それを食べてる深侑が憎い!」
「アハハ……葵ちゃんは今日は学食なんだね」
葵ちゃんの前には空になった学食の食器が置かれていた。
食器から見る限り今日の定食はカツ丼っぽい。
「はい!お弁当持ってきてたんですけど、深侑が宿題見せろって言うので代償として学食おごらせました!」
「いつも見せてもらってごめんね?」
「いえ!いつもタダで学食食べれてラッキーなので全然!」
葵ちゃんは満面の笑みを浮かべた。
葵ちゃんとは中学から一緒で、私が深侑の面倒を見れない分深侑を見てくれている。
とても素直で明るくていい子。



