偽りの笑顔、泣いている心

『感謝するわ、店員さん。またの名を情報屋ケイ。自分の情報さえ満足に守れないひよっこが、情報屋なんてするもんじゃないわよ』

「くっ、お前何者なんだよ」

『あら?知りたいなら調べることぐらい出来るでしょう?』

私の挑発的な態度にいらついたのか、いらつきと諦めを混ぜ合わせたような表情でケイは

「...さっさと行け」

と言った
私は手をひらひらと振りながら、階段を下り、地下の扉を開ける

「何のようだ、今日の予約にお前は入っていない」

『ああ、ここ予約制なのね。まあ、いいわ。ここを予約してまで利用している人達には申し訳ないけど、もう今日で終わりだもの』

終わり、という単語を聞きまゆをひそめた男に、用件を言う

『...ここのボスに会わせて欲しいんだけど』

「会わせろと言われてやすやすと会わせるほど俺は馬鹿じゃねぇんだよ」

『あらそう。なら無傷では帰さないわ。それどころか二度と太陽拝めないかも、なーんてね』

ニヤニヤしながら馬鹿にしたように言うと、つかみ掛かってきた店員。それをすんなり避け、ドアに向けて銃を3発、そのあと小型ナイフで相手の足を切る。すると相手は苦痛に顔を歪ませうずくまった

『あはは、次はどこを切ろかなぁ?ねぇ、まだボスに会わせない、なんてふざけたことをぬかすつもり?』

そんなことを話していると、どんどん出口に向かって走る客人達

『無駄よ。私が先程銃を使ったことによりドアが変形し、よほど強い衝撃を受けない限り、ドアは壊れない。だから外には出られないわ』

そう言いながら逃げる客人全員の足を刺していく。全員が顔を真っ青にし、私に怯えているのが手に取るように分かる

『ふふっ、さて、ボスに会わせてくれるわよね?もちろん拒否した場合は...分かるわね?』

「くっ...ボス、は...あの部屋に居る...」

店員は私の後方を指を指しながら言った

『ありがとう、店員さん』

私はそう言うと、店員さんに背を向けて歩き、その部屋に入った