「渡辺さん、は?」



「芙優?んー、芙優は好きだけど幼なじみとしてだから」



体育の時、玲央がシュートしてガッツポーズして。



嬉しそうに見てた、あのときの瞳は。

絶対幼なじみとしての好きなんかじゃない。


「俺、帰るわ」


俺はイスから立ち上がるとカバンを持って教室を出る。


そして一番奥のA組に向かって歩き始めた。