「美優、着いたよ。」

お兄ちゃんがそう言って、わたしの頭を撫でる。

「ん…、おにい…ちゃん?」

「ほら、家に入ろう。」

「うん…」


なんだか、ふわふわする。
こんなに日が照っているのに、寒い。



「美優?気分悪いのか?大丈夫か?」

お兄ちゃんは荷物を全部持ってくれた。

「……歩けるよ。」

「…そうか。じゃあ、家まであとちょっとだから、少しだけ頑張って。」

「うん。」

急に重くなった体を気合いで動かして、家に入る。



「「ただいま」」

家に入った瞬間、お兄ちゃんは荷物を全て玄関に置いて、わたしのおでこに手を当てた。

「…んっ おにいちゃん…?」

「…熱いな。寒くないか?」

「…すこしだけ」

そう言うと、お兄ちゃんはすぐにわたしを部屋まで連れていって、ベッドに寝かせた。

「荷物取って来るから、ちょっと待ってて。」

また頭を撫でられた。おにいちゃん、頭撫でるの好きなのかな…。



「はい、熱測って。」

「うん。体温計持ってきてくれて、ありがとう」

「どういたしまして。測り終わったら、着替えようか。」

「うん。」