中谷先輩は荷物を
まとめるとそれを持って
ドアの方に歩いていった



「あたしが、なんとかしてあげるから」





と振り向きざまに言った


「中谷先輩……」



あんなに大っ嫌いな
先輩のはずなのに…



気づいたらあたしは
先輩の背中にひっついていた




「ちょっ、何してんの!?」



「あ、あ"りがどうございまず…ヒッ」


「あんた泣きすぎでしょ、早く駿のとこ行きな。きっとあんた来るの待ってるからさ」





でも…………
そんな勇気ないよ…


「あ、あたし駿の家行ったことなくて…」




「じゃあ、あたしが連れてってあげる」




そう言うと先輩は
あたしをグイグイ引っ張って





あたしのお母さんに



「柚梨、今日あたしんち泊まるんでー!」



と叫んで


「よし!行こう!」



そしてあたしは駿の
家に連れて行かれた




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