「…………れいちゃん?!」
無我夢中だった
早く、先生に会いたくて息を切らしながら走った。
先生と私の想い出の場所、調理室
でもその途中、声をかけられ足を止めた。
「……水谷先生…」
私を呼び止めたのは水谷先生だった。
「どうしたの?こんな時間に」
不思議そうに首を傾げる水谷先生
でも、私は焦っていた。
だから
「ちょっと用事が…」
そう言ってまた、走り出そうとした。
「朝倉先生は…いないわよ」
踏み出した足をもとに戻した。
先生は…いない…?
なんで?
もう授業は終わったけどいつもならまだ、仕事してる時間だよね?
どうして…いないの…
「先生…帰ったんですか?」
水谷先生が頷いたのを確認して私は歩き出す。
せっかく…話そうと思ったのに…
今なら自分のキモチ…ちゃんと、言えたのに…
先生…
せんせい…
先生…っ


