声、聞こえる


「…たの!…ぃは…」
「…めん…お…せい…」


なんて言ってるかはわかんない。
それに、なんだか体が小さい気がする


周りを見渡せば
真っ暗なの。

本当に何にもない


ここはどこ?



『るーい!』
「…わっ…芽衣?」
『私ね、好きな人ができちゃった』

ニコニコと私に微笑む芽衣



「…芽衣、なんでここにいるの?」
『あのね、理科の…』



幸せそうに笑う芽衣とは全く話が噛み合わない。

あぁ、理解った。ここは夢
私の過去
ならば、自己満足でも…謝らなければ




「…芽衣…ごめんね」

彼女の肩をポンと触れる







触れた手に激痛が走って


弾かれたことがわかった

「…っ…芽衣?」
『裏切り者』






あぁ。
夢の中でも私は裏切り者
夢の中でも私はあなたの友人じゃないの
夢の中ですら私は満足に笑えない
夢の中なのにちっとも幸せじゃない

現実でも夢の中でもいくら謝ったって許してはくれない





私が悪かったの?

私があの日、あそこに行かなければ…


「生きてて、ごめんなさい」


今も、昔も
私が居たから。