そこで私はパタンと呼んでいた本を閉じた

全て、本の中の世界

現実じゃない。



「はぁ」
最近になってため息が止まらない


それも底が見えないほどの深いため息が。




デートに向けて服装に困った私は壁一面の漫画を参考にしようとした。
しかし、見事に世界に入ってしまっていたようで…。


気がつけばなにも進まないまま時間だけが進んでいる


「やば」


外を見ればもうすでに太陽は沈みかかっていた

私は適当にクローゼットを漁る


出てきたのは

ジーンズ
Tシャツ
トレーナー
丈の長いワンピース
ニット


外掛け用の服これらは全部黒か白。

デートに向いているわけがない。



ベットに雑に投げられた服を見下ろしながら
私はまた大きなため息をついた




「…誰か…助けて」



困ったなぁ





漫画の影響で思っていることといった言葉が逆になってしまった

しかし助けを求めているのも事実



もう一度クローゼットに体を向けた時

勢いよく扉が開いた