散る桜

48(了)


***

それからわたしは、忌地へ行くことをやめた。

徐々に落ち着きを取り戻し、なんとか学校へも通っている。

今のわたしがあるのは、あの時の祖母のおかげだ。


でも時々考える。

あのまま忌地へ行き続けていたら、どうなっていただろう、と。


遺影の祖母は、もう何も答えてはくれない。


ただあの忌地には、一本だけ増えた季節外れの山桜が、風に吹かれて揺れていた。