またあの金髪の彼がいる。


しかも、あの列に。





「…あ…!」





もしかしてその手に持っているものは…





「1巻…!」





思わず声を出してしまう。



それに反応してこっちを見る彼。





「さっき返ってきたんすよ。
借りますか」

「…借ります!」





ワクワクしながら彼のあとをついていき、本を借りる手続きをする。





「あ、名前…」

「小池 梅です」

「こいけうめ…と」





手渡される1巻。



やっと、やっと読める。この日をどれだけ待っていたか…





「良かったっすね」

「あ…はい!」





いつの間にか苦手だと思っていた彼とも少しだけ話せるようになっていた。