はあっとため息をつく。

「彼女の人生が幸せだったのかは、よくわからない」

そう言うと章は振り返り、私の目を見る。

「君が待ってるのは、誰なんだろうね?」


ドクン、と心臓が波打つ。

‐待っていたのは、あなたなんだ


喉元まで言葉が出てくるが・・・どうしても、呑み込んでしまう。


‐もし、章が知ってしまったら?


きっと・・・狙われる可能性が高い。


俯き少し泣きそうになる。
章はポンと私の頭を叩いて

「俺は君の氷が溶けるのを待っているからね」

帰ろっか、そう言って駅まで歩き始めた。



‐どうすれば、逃げられる?