中学生に上がり、私達はバラバラになった。

私は早苗お姉ちゃんが通っていた女子校へ行くことになった。
私の憧れだったのだ。

章もお受験組で、隣町の男子校へ通うことになった。


学校がバラバラになったとは言え、家に帰るとよく章が居た。
断りもせずに、私のベッドで寝転んで漫画を読んでいることが多かった。


そろそろ『男と女』なんだから、意識してくれたっていいじゃない。

いつも言いかけたけれど、どうしても喉元で引っ掛かる。


‐私は『家族』だから側に居ることを許されているのだから


章の匂いのする布団にくるまりながら、ずっとこの匂いが消えなければいいと・・・何度も、何度も、思った。


きっと意識しているのは私だけなのだ。悲しいぐらい。

それでも・・・1番近くに居るのは私なのだ。
例え『家族』であっても、その立場を誰かに譲る気なんて全くなかったのだ。