「私も下で袋詰め手伝う？橋本はもうそろそろ終わる？』

「ああ、そろそろ終わる。瀬崎さんは下？」
橋本が立ち上がった。

「うん、アウトレットで原田さんと袋詰めしてる」

そう言うと「あのさ」と意味深な言葉を言う。

「何？」と言うと、橋本は苦い顔をしている。

「何よ。言いたい事あるんじゃない？」
冷たく言い放つと、橋本はため息をついた。


「原田さんが、お前と瀬崎さんがお似合いだと言ってたぞ」


・・・原田さん、橋本にも言ったのか。

「あーそれ言われたわー・・・どんな気分で言ってんのかね」
それを聞いて橋本は「興味ないのか、お前は」と言った。

「ないですよ。恋人はいいです」
そう言ってさっさと立ち去ろうとした。

「何？好きな人も居ないわけ？」

橋本が、心を揺さぶってくる。


「いいんですよ。恋愛はいいです」

そう吐き捨て、私はアウトレット店へと戻った。


‐みんな、揺さぶらないで欲しい。
嫌と言うぐらい・・・本当は章を求めているのだ。本当は。


胸の奥に仕舞い込んで、私はまた仕事へと向かうのだ。