3年後、あの約束の続き

大学を卒業すると、ノルウェーに戻る決断をした。

ちょうど入れ違いで従兄がアメリカの大学のサポートに回ることになった。
もう伯母さんも随分高齢だし、「あと少しだから」と言って研究に没頭する父をほっておけなかった。
もう引退してもいい年齢だったけど、志し半ばで亡くなった伯父さんを思うと到底「やめろ」とは言えなかった。

研究が終わると、父と伯母さんは日本に帰国すると決めていた。
なので、なるべく『日本にも支社がある会社』で働くことが希望だった。


そんな時、見つけた会社。
世界各国に支社がある、家具や雑貨のブランド。

トレードマークは‐Irisの花。
杜若と同じ、アヤメ科の花。


ノルウェーが本社の、Irisの花がトレードマークの会社。
この会社で俺の名前が知られたら‐彼女は気付くかもしれない。
何となく、そんなことを考えていた。


そして数回の面接を経て、俺はこの会社で働くことになる。