3年後、あの約束の続き

彼女と結婚しよう。そう思ったのはいつだっけ。

彼女やその家族と仲良くなって、こんな想いが生まれるようになった。

『みんなで1つの家族になれたらいいのに』と。

お父さんやばあばのことは好きだったけれど‐いつも笑顔で手作りのお菓子を振る舞ってくれる優しい母親。
俺を含めて子供には厳しかったけれど、週末にはどこかに連れて行ってくれる優しい父親。
そして‐太陽みたいに明るくて、お姫様のような可愛い彼女。
みんなが家族だったら、何も不満はない。



ある日彼女と家で遊んでいると、ばあばが「面白いものを見つけたの」と言って、古いアルバムを持ってきた。
それはノルウェーにいるおばさん‐1度しか会ったことはないけれど の結婚写真だった。

「結婚してね、いきなりおばあちゃんになったのよ」

彼女と俺は、よくわからなかった。

「どうして?」と彼女が聞くと、ばあばはこう言った。
「結婚するとね、相手のご家族とも家族になるのよ」と。


みんなと家族になる方法‐彼女と結婚すればいいのか。
なんだ、そっかと思った記憶がある。

「じゃぁ章と結婚すると、ばあば様はエミのおばあちゃんになるの?」

「そうなるわね。あと20年早いけれど」

その時‐俺が言った言葉。


「じゃあ2人で結婚すればいいね」


そう言うと、彼女は無邪気に笑った。
彼女のお母さんも、大賛成だった。


早く結婚したいという彼女に、銀の王冠を作ってプレゼントする。
ブーナットと呼ばれる、ノルウェーの花嫁が身につける伝統的な王冠を模倣したもの。

その手作りの王冠は、中学になって別れるまで彼女の部屋に飾られてあった。
まるで2人の、婚約の証のようであった。