車はひたすら北へと向かっている。
きっと目的は‐そうなんだろう。
夜の高速道路は、車が少ない。
車内は無言のまま、私達はひたすら北を目指して車を走らせる。
日付が変わる頃、ようやく高速道路を降りた。ここからは下道。
二車線の、畑が並ぶ国道の先は山道だ。
私達は何度も、この景色を見てきた。
そこの山を越えれば、見えてくる。
10年ぶりに、目にする景色。
そう、『あの町』
私は10年ぶりに『あの町』に帰ってきたのだ。
10年ぶりに目にする景色は、あの頃とさほど変わりないように思う。
ただ、記憶にある建物は少し古くなっていて、離れていた年月を思わせる。
あの木も記憶にあるよりも随分大きくなっているし、あの家もそこまで蔦が目立っていなかったはずだ。
私と同じように、この町も10年の時が流れているんだ。
そんな当たり前のことを、思ったりしていた。
車は見慣れた道を進んでいる。
『もしかして』そんな思いが頭をよぎる。
確かにこの道はそうだ。そう思うと少し体が震える。
やっぱりそうだ。
確信に変わって、私は思わず顔を伏せてしまう。
少し、怖い。
きっと目的は‐そうなんだろう。
夜の高速道路は、車が少ない。
車内は無言のまま、私達はひたすら北を目指して車を走らせる。
日付が変わる頃、ようやく高速道路を降りた。ここからは下道。
二車線の、畑が並ぶ国道の先は山道だ。
私達は何度も、この景色を見てきた。
そこの山を越えれば、見えてくる。
10年ぶりに、目にする景色。
そう、『あの町』
私は10年ぶりに『あの町』に帰ってきたのだ。
10年ぶりに目にする景色は、あの頃とさほど変わりないように思う。
ただ、記憶にある建物は少し古くなっていて、離れていた年月を思わせる。
あの木も記憶にあるよりも随分大きくなっているし、あの家もそこまで蔦が目立っていなかったはずだ。
私と同じように、この町も10年の時が流れているんだ。
そんな当たり前のことを、思ったりしていた。
車は見慣れた道を進んでいる。
『もしかして』そんな思いが頭をよぎる。
確かにこの道はそうだ。そう思うと少し体が震える。
やっぱりそうだ。
確信に変わって、私は思わず顔を伏せてしまう。
少し、怖い。