すると早苗お姉ちゃんは、んーと、と少し考えてこう言った。

「『一生に一度は思いっきり働きたい!』かな?
ほら結局さ、私はいつか結婚もして暖かい家庭も作りたいわけ。
でも今は思いっきり働きたいわけなの。
だから思いっきり働けるのはここかな、って。
私は35になったらすっぱり仕事辞めるよ。だからそれまで働くの」


ハキハキ、イキイキと答えている。

「ま、正直さ、色んな人と関わる仕事してたら、いつかえみちゃんに行き着く気がしてたんだよねぇ。
先に見つけたのはやっぱり章だったけどさー。愛だねぇー。さすが」

ブッと吹き出す私をよそに、早苗お姉ちゃんはクスクス笑っている。


「私はさ、悔いがないぐらい働くよ。一回しかない人生じゃん?
『やり切った!』て思えるぐらい、働きたいのよ」



‐『やり切った!』と思えるぐらい、働きたい。

何故だか不思議と、その言葉がストンと胸に落ちてくる。


相変わらず、早苗お姉ちゃんはモニターを真剣に見ている。

でもその目は‐キラキラと眩しいぐらい、輝いて見える。