「あんまり中学の時と変わらないね」

章はくるくると部屋を見渡している。

「まぁ、特には・・・何も変わらないよ」
中学の時と一緒で、シンプルな部屋を心がけている。
唯一、奮発して買った重厚感のあるチェストは、うちの会社のものだ。


「あ、章これ・・・って何してんのっ!!」

上着を差し出そうとすると、なぜか章がクローゼットを開けていた。

「スーツケースこれだけ?3泊ぐらいか・・・あ、ボストンもあるか」
章が何やらぶつぶつ言っている。

「何してんの?」

「何って・・・荷物運ぶんでしょ?」


「はいっ?!」
意味がわからない。


「えっ・・・?」
章も豆鉄砲をくらった顔をしている。




「一緒に暮らすんじゃないの?」



「・・・はい?!」



「えっ・・・」


話が全く噛み合っていない。