私は車に乗せられて、ひたすら東京まで高速道路を走る。

車内は無言のままだ。

数時間後、首都高を下りて新宿方面へと下道を進む。
そしてとあるマンションの地下へ、車は入っていった。


章が慣れた手付きで車を停める。
地下の駐車場には高そうな外車ばかりが並んでいて、普通の国産車であるこの車は浮いている。
少しだけグレードは上のはずなのだが。


車から出ると、章に手を引かれてマンションの中へと入る。
駐車場の入り口と、更にエレベーターを上がった先にもオートロックがあった。
フカフカした廊下を、少し恐る恐る歩く。


30階のとある部屋の前にきた。
章は慣れた手付きで、片手で鍵を開ける。
ガチャっと鍵が開いて、部屋に引っ張りこまれる。


靴を脱ぎ捨て、廊下の先まで歩き部屋のドアを開けた。