家を出ても部屋も仕事もない


顔だけは20歳ぐらいに見えるから誰かにキャッチされるのを待った。


「ねぇねぇ、そこのお姉さんうちの店来ない??」


ほら、声をかけてくる



「どのくらい貰えるの?」


「え?本当に来てくれるの?ラッキー!!」



どこでも良かった私を必要としてくれるなら。


ザッ


「おい、ちょっと待て」


いつの間にか私の後ろに現れた男


「はぁぁあ?誰だ……よ。あ、」


キャッチの男が機嫌悪そうに顔を上げた瞬間。

鬼でも見たかのように顔面蒼白になった



「湊さん!!!!すいません!」



「いや別にいい。ちょっとこいつ借りるわ」


「へ??あ、はい!!」


キャッチの男はすんなりと私を男に手渡した。


あっという間すぎて何が起こったか理解出来なかった