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ー拍手でお迎えくださいー
そう言って入場してくる先輩達。
12番目に登場したヒトに私はやっぱり釘付けになっていた。
先輩はやっぱりキョロキョロとしている。
きっと、私を探しているんだろう。
なるべく背の高い子の後に行き、先輩から見えないようにしておいた。
目が腫れてるのなんか、見せたくないもの。
ーー卒業生、代表の挨拶ーー
やはりそこには先輩の姿。
かっこいいです、先輩。
春風の吹く、心地よいこの季節ーー
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気がつけば挨拶は終わっていた。
ーー卒業生が退場しますーー
その言葉とともに、ぶわっと涙があふれる。
これでサヨナラだね、先輩。
優奈先輩、金沢先輩、青春をありがとう。
辛いこと、悲しいこと、乗り越えて強くなれました。
最後くらいはーー、と先輩を見つめる。
髪の毛、はねてるよ。
小さなことでも愛しく思える。


