ダダダーーー
元陸上部の走りを見せつけながら、家までの道を猛スピードでダッシュする。
すれ違う人々はみんな私を見る。
…惨めだよね。
こんな、おめかししか女が泣きながら走ってるんだもん。
近くの公園。
土管のなかに入り目を瞑る。
ーーどうか、先輩が幸せになりますように。ーー
きっと、先輩は私とじゃ幸せになれない。
私、気づいてたよ?
先輩の口から1度も「好き」って言葉が出てこなかったこと。
私、知ってたよ?
さみしさを埋めるために、私を利用したこと。
全てが罰ゲームだったこと。
辛そうに、罰ゲームしてた事。
もしも私が断ってればこうはならなかったよね。
ごめんね?
先輩ーー。


