「なんやねん!
まぁ、ええけどな。
また話そや、これ俺のアドレス。
暇な時、連絡してや。
いつでも相談乗るわ。」
「ありがとう!
また連絡する!」
すると、あっと思い出したかのように、櫂が声を上げた。
「いいオトコはレディーを家まで送ってかねぇとな。」
5年間で一気にチャラくはなったが、それでも優しさは変わらない。
その優しさがわたしは好きだ。
でもきっと、櫂を好きになることはないんだろう。
「ほんとにー?
嬉しー!
ほんと、イイオトコやね」
嫌味たらしくいう私に「うっさいわ!」と毒付きながらも、家まで送ってくれる。
昔のようで懐かしい。
久々にほっこりとした気分になった。
裕翔先輩が見ていた、と、この時知っていたら、私はなにか別のことをしていたのかな?


