スタードロップス

「なんで、弾かないといけないんですか」


ここはひとまず冷静に。


「ん?俺が聞きたいから。」


…これはさすがに怒ってもいいよね?


「大体、急にここ入ってきて、
私をあなただけのピアニストにしよう、
なんて都合が良すぎません?」


「だってここは、君だけの場所じゃないし、


それに、君のピアノには、
どこか孤独さが染み付いてるから。」


「…どういうことですか。」


「簡単に言うと、
“悲しいピアノ”ってことかな。」


「そんなこと、なんで…、
あなたに言われなきゃならないんですか。」


「あっ、弾いてくれないならいいよ、
でも、明日からここ、
ひとりじゃいられなくなるけどね。
友達呼ぼっかな??」


脅しとはなんと卑怯な手だ。


「…わかりました。
何を弾いたらいいんですか?」



そんなことを言いながら、私は
この人なら何か分かってくれるかもしれない
なんて正解か不正解かすらも
わからないことを
と思っていたのかもしれない。