スタードロップス

「せっかくだから、ピアノを弾いてよ、
星、の歌みたいなのないの?」


ドキリ…


星の歌と言われて思い浮かんだのは、
モーツァルトのきらきら星変奏曲だった。


その曲は、どうしても私には演奏できない
ものだった。


「…」


「そっか、まぁそうだよね…。」


「え…?」


「じゃあ、月でいいよ」


とニコッと笑ったから、


ブルグミュラーの月の光を弾いた。


優しくてきらきらの有名な旋律。


感情も込めやすい。



私、七瀬星那は



“ベートーベンの月光ソナタ”と
“モーツァルトのきらきら星変奏曲”が



どうしても弾けない──…。