「シートベルト、閉めてくださいね」

「は、はい」

  



「でも、びっくりしました...しずくが大変っていうから怪我でもしたのかと...」

「あ!すみません、勘違いしてしまうようなこと言って...」

「いや、いいんだよ。僕も最近、しずくと一緒にいることができてなくて、なおさら心配で...」

「そうなんですか...」

「ほら、しずくって家が裕福だったから、普通の人と比べてズレてるとこあってさ」

「あぁ、確かに。友達も今までいなかったとか言ってましたし」


「ほんとは、俺も婚約者候補だったんだ。でも、会社が他の有名な会社に買い取られて、婚約者候補から消されたんだ。」

「大変なんですね...」

「だから、医者を目指したんだ。都内でトップの大学入って、有名な大学病院の内定も貰えた」

凄い....大事な人のためにそこまでできるって。

「それに、しずくってああ見えて病弱なんだよ。喘息とかひどいし。守ってあげなきゃって思ってさ」


「柊木さんは優しいですね。」


「結局は、しずくを失うのが怖いからなんだよね」


「人には、怖いものだってあります。当たり前です。柊木さんは、しずくにお似合いですよ。自信持ってください」



「ありがとう。そう言われて決心がついた」



「柊木さんは先に行ってください。お姫様は王子様の迎えを待ってますよ?」


「ごめんね、最後まで。ありがとう!行ってくるよ」


「頑張ってください!」 



これでミッションのクリア完了。


やっと家に帰れる。


しずくと柊木さん、上手くいくといいな...