「はる!新学期早々なんで遅刻ぎりぎりやねん」





「だって、二度寝って最高なんやもん」





とりとめもない会話をしながらクラス発表を待つ。





「きたっ!」





誰かが叫んだ声に、まわりがさらに騒がしくなる。





先生がゴロゴロと重たそうに運んできた4台のパネルには、計7枚の紙が貼られていた。





私も背伸びをしながら5組から自分の名前がどこにあるか探す。
人多すぎて前がよく見えへん。





この学校は高校2年生から文系と理系にクラスが別れる。1組から4組が理系、5組から7組が文系というぐあい。





半年前、迷うことなく文系を選んだ私は、一瞬で自分の名前を見つけた。





「5組や、瑞穂も一緒やん」





自分のクラスを隣に立つ瑞穂に伝えながら、その本人の名前もすぐ下にあることに気付いた。





よっしゃ、と小さくピースサインを瑞穂に送る。瑞穂もそれに笑顔で返してくれる。





高校2年の春、楽しい1年になりそうやな、と私は明るくスタートを切った。